2007年11月02日

彩雲国物語 隣の百合は白 その2

彩雲国物語 隣の百合は白

著者名:雪乃紗衣(著)
出版社:角川書店
出版年:2007.11
ISBN :9784044499150



彩雲国物語の外伝
雑誌 The Beans掲載分 2本、描き下ろし1本、ショートショート1本。
ページ数も287ともはやライトノベルと言えないボリューム感です☆

ネタバレ感想のつづきです☆
2つめは、邵可の話。
秀麗が茶州の疫病騒ぎで朝賀に来ていた貴陽から茶州に行って後の頃。

紅家の大叔母 玉環から特に目を掛けてもらっていた邵可。
芸能の一族碧家、多芸の一族藍家をもしのぐ琵琶の名手である玉環から
手づから琵琶奏法を伝授してもらっていた邵可は5歳にして大人も弾くのが困難な曲の演奏が出来るようになっていた。
5歳の子供とは思えない聡明さ、大人びた表情。
生まれた時から紅家の長子として家の中の様子を見てきた邵可は子供のままではいられなかった。
大叔母の言葉にも笑顔で固め油断ならない対応が出来るようになっていたぐらいに。。。

過去の夢を見ながら、府庫の仮眠室で目覚める邵可。
貴陽に残った人達は遠くで困難に立ち向かっている秀麗の事を案じる事しかできず、落ち着かない日々を送っている。
その中でも父である邵可は特に不安定になっているよう。
がしかし、1日2時間ほどの睡眠だけでやっていける邵可は。。さすがです@@;

珠翠が大切に思う二人は、特に秀麗を案じている。
邵可、そして劉輝も。。。
珠翠はそんな二人の為に、縹家の血筋である自分が持つ異能「千里眼」を使って
貴陽から遠く離れた茶州にいる秀麗を見ようとしていた。
しかし貴陽では、特に宮城では異能を使う事はたいへんな危険を伴う事のようで
(貴陽では、縹家も異能を使えないらしい)
邵可は止めに入る。
そこで霄太師に見せる邵可自身にも気付かない動揺。
櫂瑜(かいゆ)からとってみたら39歳の邵可など40以上も年下の『あの子』になるのですね。
僅か9歳で暗殺集団「風の狼」の一員になった邵可をその当時から見てきたのでしょう。
そりゃ先代黒狼である鬼姫だって彼の事を案じ、思い、涙もするでしょうね。

府庫での、黎深とのやりとり
黎深に話しかける邵可の口調が優しげでまた胸を突く『・・ね、黎深、・・・』

『君は、なんでそんなに私の事を好きでいてくれるんだい?』

黎深は邵可に隠し事ができないし、嘘もつかない
でも邵可はそのどちらもする。
黎深は邵可の願いは素直に聞くけど、邵可は聞かない。
黒狼の仕事をしないで欲しいという優しい願いも聞かない。
『君がどう頑張って止めても、私がそうと決めたら無視をする。』
『君は私に命令する事はできないし、許さない。』
『私は私のしたいようする。今までそうだったようにそうするよ』

邵可『ひどい兄だね、それでも君は私が好き?』

黎深『はい』

・・・・。
邵可は運命に苦しんでいるんですね。
そしてそんな兄を黎深はちゃんと理解しているんですね。

邵可は、黎深と玖琅を守る為に大叔母を殺した。
そして10歳にも満たない邵可が紅家を出て行ったのも二人の弟を守る為。
黎深はそれを知っているから、何があっても兄が好き

府庫で酒を酌み交わしながら語る二人
私はこの二人に加わりたくて、思わず自分の分のお酒をついでしまいましたwww
芋焼酎ロックでwww

黎深も秀麗を助ける為に連日徹夜で動いているようです。
疲れているであろう弟を眠らせる黎深。
兄のそばでは無防備に眠る黎深。

邵可『寝なさい。・・愛してるよ。嘘だけどね。』
邵可よwwwwwwww
そして黎深・・・こんな風に兄に翻弄されているあなたの事とても好きになりました。☆

そして、秀麗を茶州に送り出した劉輝も、何もできずに苦しんでいました。
そりゃそうだ、秀麗を守りたいが為に軍まで出そうとして秀麗自身に拒否されて
それでただ待つ事だけしか出来ないなんて、苦しいはずですね。

「氷の理性」と言われている邵可。
だけれども、今回はそんな彼の人間らしい内面がとてもよく見えました。
始めからずっと胸を締め付けられるような切ない気持ちになりました。
そしてだんだん読み進むうちに涙が出てきてしまいました。
自身も気付かない所で、とても頑張っている邵可の姿がなんだか・・悲しかったです。
でも、霄太師とか、櫂瑜とか黎深とか、ちゃんとそんな邵可を理解しています。
見守ったり、手を貸したり、案じたり、慕ったりしている周囲の人の愛情にも胸を突かれました。

邵可だって人の親、娘を案じて、手が震えてしまったり
黎深に対してちょっといじわるになってしまったり するもんです・・よねww

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(その3へ続く)
posted by ねぇさん at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 彩雲国物語
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