キッチン 著者名:吉本 ばなな
出版社:角川書店
出版年:1998.06
ISBN :4041800080
吉本ばななのキッチンはやっぱり吉本ばななの原点です。
主人公の、世の中で一番好きな場所は台所
祖母と二人暮らしをしていた主人公が祖母を亡くし
がらんと広い家の中で孤独を埋める為に夜寝床に選らんだのは台所
両親の死、祖父の死、祖母の死、その悲しみを内に抱えた主人公の
静かで独特のやさしさにあふれた日常が読んでいて心地よいです。
天涯孤独になった主人公のみかげを、祖母と仲が良かった雄一が訪ねて来ます。
母(男性)と二人暮らしをしている彼は、家にみかげを招きます。
そこから個性的な三人の共同生活が始まります。
物語はみかげの視点で進むので、
いろいろ全てが彼女の悲しみや経験や今の日常でフィルタリングされていて
日々当たり前の事をとても大事に美しくとらえているみかげの性格がよく伝わり
どっぷり感情移入している自分に気づきます。
こんな設定の物語ですが、全体の印象は暗くなく
些細なやさしい出来事や小さな幸せがそこここに散らばっていて
読後感はちょっと温かくてちょっと切ないと言った感じです(*^^*)
この話を最初に読んだのは私が高校生の時でした。
その時も夢中になって何回も読み返しました。
そのころとはいろいろ変わった今の私が読んでも、変わらず名作のままです。
と言うか、深みが増しました。
まだ読んでいない方は是非!




